知られざるやまぎわのうんちくや、やまぎわに関する情報などを紹介します。
5代103年にわたって朝倉氏一族が治めた一乗谷。全国四大城下町の一つとして栄華を極めたこの城下を攻め滅ぼしたのは織田信長だった。朝倉5代朝倉義景は、白山平泉寺の勢力を頼って越前おおのへ逃れるが、平泉寺の裏切りに遭い越前おおので憤死したのだった。義景を裏切った白山平泉寺もその後一向一揆に攻め落とされる。その一向宗を滅ぼした織田信長に功を報われた金森長近が大野3万石を与えられ、今の越前おおのの城下をつくったのだ。
1500年前、第26 代継体天皇の冠を漆で修理したことが始まりとされる越前漆器。漆を採取するため越前の漆かき職人が、全国へ出かけるときに持って行ったのが越前和紙や越前打刃物。越前漆器と同様に高品質の和紙や打刃物は全国でも高く評価され、産地「越前」の名を大きく高めたのだった。
全国1万5千の末寺を持つ曹洞宗の第一道場「永平寺」。雲水200人が修行する天下一の座禅修行の巨刹は、樹齢700 年といわれる老杉の巨木に囲まれた「美しい日本の歴史的風土百選」でもある。また白山平泉寺の境内は、樹齢数百年の杉並木と苔が敷き詰める静寂の地。白山信仰の拠点として「美しい日本の歴史的風土百選、菩提寺から始まる石畳参道が「日本の道百選」、平泉寺から白山までの白山禅定道が「歴史の道百選」に選ばれている。白山神社境内は「かおり風景百選」と百選づくしだ。
福井県坂井市三国町の断崖絶壁で全国に名を知られる景勝地「東尋坊」。この東尋坊という名前は、実は白山平泉寺の僧の名前から来ている。「東尋坊」という白山平泉寺の力自慢の僧がこの断崖絶壁から落ちたことからこの名前がついた、という伝説に基づいている。伝説の真偽はともかく、九頭竜川河口にあたる東尋坊にまでやまぎわの白山平泉寺の勢力が及んでいたことがうかがい知れる。
山の上にある、巨大な銀色の卵!の福井県立恐竜博物館。展示されている化石や一大ジオラマ、研究内容も天下一だけれど、この博物館自体の建築も壮大かつユニークで天下一。平成16年度の全日本建設技術協会賞を受賞している。自然の地形を積極的に利用して自然林を最大限保存し、丘の大きさに対して建物が威圧的にならないよう配慮したのも評価の対象に。設計は世界的建築家として名をはせた黒川紀章氏。