
日本初の肉食恐竜だけなく植物や貝など多数の化石が発見され当時の環境まで再現できる恐竜王国。
世界的にも注目の的なのだ。
銀色のドーム型建物の中に、全身骨格標本37体、うち実物6体、常設展示場面積4500m²という日本最大級の恐竜博物館が「福井県立恐竜博物館」だ。皮膚の痕が残っている極めて貴重なエドモントサウルス(草食恐竜)のミイラ化石をはじめ、ここ勝山市で発掘された肉食のフクイラプトル、草食のフクイサウルスの全身骨格など、ほかでは見られない極めて貴重な第一級資料が展示されている。四川省のジュラ紀の森を復元した実物大ジオラマは迫力満点。発掘現場に近接した博物館は世界でも珍しく、発掘研究は世界的にも注目されているのだ。

1982年、勝山市北谷の杉山川の崖で、中生代のワニ類化石が発見されたことが発端となり、これまでに日本の恐竜化石の8割以上を産出している。多種類の恐竜化石が発掘されているのは全国でも勝山市だけで、恐竜の生態や環境を解き明かす研究が続けられている。2008年に発見された小型肉食恐竜の化石は、鳥の祖先ではと今注目されている羽毛の生えた恐竜の可能性もある。

日本で初めて全身復元された肉食恐竜フクイラプトルと、草食のフクイサウルスの全身骨格。どちらも博物館近くで発掘された。フクイラプトルはさまざまなサイズの骨や卵の化石も発見されていることから、巣をつくって群れで暮らしていたと推測されている。フクイサウルスはフクイラプトルの餌だった可能性が。

実物の化石を題材にした恐竜クイズもある「ダイノラボ」コーナー。
ティラノザウルスの実物化石にも触れるぞ!